導入事例 株式会社岩崎食品工業

【導入事例】持続可能な“社会と会社”を創るために経営者がすべきこと。

株式会社岩崎食品工業 | 【導入事例】持続可能な”社会と会社”を創るために経営者がすべきこと。

前編では、100年企業に向けて積極的な投資を続ける岩崎食品工業の神田氏に、なぜ太陽光発電を導入したのかを聞いた。

後編では、食品メーカー経営者が考える“持続可能な社会に向けて何をすべきか?”について聞く。

日本の食品は、もっと海外に出るべき

━━━今後、どのような事業展開を図っていますか?

海外展開を図っています。

昨年、JETROさんと協力して数十カ国とZoomでミーティングをしました。以前からやりとりしているイタリアや、昨年はドイツからも発注がありましたね。

昨今の情勢なので簡単に商売へつながることはありませんが、反応は良いです。

━━海外とやりとりされて、何か感じた違いなどありますか?

昨年、21歳のイタリア人を私の家に居候させて暮らしていました。そこで気づいたのが、彼らは“食”への意識が非常に高い。ナチュラルなモノを大事にするなと気付かされました。

特に欧州ですが、環境への意識も高いと思います。HACCPの基準が厳しく、日本から食品をもっていくのは簡単ではありません。

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)
食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。

厚生労働省:HACCP

欧州側は大手企業だから輸入する、ではなく、良いものだから受け入れるスタンスです。日本で輝いている食品企業はどんどん輸出すべきだと思いますね。

株式会社岩崎食品工業

━━日本の食は輸出できるポテンシャルがあるのに、脱炭素への配慮不足からブレーキがかかっている、ということでしょうか?

あると思います。CO2の削減だけでなく、環境への意識が問われますから。

よく輸出の話をする際「あなたはどのような規格をもっていますか?」と聞かれることがあります。そこで弊社はFSSC22000を持っていると答えると、輸出許諾をもらえることが多いです。

FSSC22000
ISO 22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格。

一般社団法人 日本品質保証機構

大手企業ではFSSC22000を取得してる企業は多いですが、弊社の規模で取得していることは少ない。

年々、輸出の環境意識に対する基準は上がってきているなと感じます。例えば、規格に対して工場を抜き打ちテストされることがあります。

一時的に高い環境意識をするのではなく、常に環境への高い意識を保てているのかを見ているのではないでしょうか。

ただ、こういった高い意識をクリアすることで欧州に認めてもらい、信頼を獲得し、結果的に国内でさらに売れるようになると考えています。

━━━例えば自動車業界では脱炭素規制が強まり、太陽光発電への需要が伸びていますが、食品業界ではいかがですか?

現在、そこまで太陽光発電への需要に関して話を聞くことはないです。

脱炭素のための太陽光発電よりも、コストカットの手段としての太陽光発電、が業界内の認識としては強いと思います。

例えば、食品業界で苦しいのは原価が上がってきていることです。どの企業も過去と比べて値上げが凄まじい。

とはいえ、原価の高騰に合わせてどこまでも値上げをするわけにはいきません。 このような背景から、“いかにコストカットするか”がポイントになります。

故に、電気代の削減のために太陽光発電が必要という流れはあると思います。

━━麺製造においても、原価高騰の影響はありますか?

もちろん、麺の原料である小麦の原価高騰に対する価格対応は必要です。でも私は「原料が上がったから価格も上げたら良いのでは?」とは考えていません。

我々は日用品の一つである“食”を扱っています。 日用品が値上がりすると消費者の生活が苦しくなる。これを繰り返すと、世の中が狂っていくのではないでしょうか。それは不幸ですよね。

世の中を考えると、私としては容易に値上げはできません。

株式会社岩崎食品工業 | 神田氏
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気候変動、持続可能…まずは、1歩。

━━━昨今の気候変動から“持続可能”の言葉に注目が集まっています。御社は実際に再生可能エネルギーのみで工場運用をやられてみて、思うことはありますか?

自社が世界を動かしているわけではないですが、「小さな一歩がつながっていく」という意識が重要だと思います。

気候変動はあまりにも大きなテーマなので、弊社だけでは解決できません。 それでも、まずは自分で一歩進むことが大事です。

環境の話と逸れるかもしれませんが、私は“持続可能”という言葉は会社にとっても同じではないかと思っています。

昭和26年創業の岩崎食品を私が88歳の米寿の歳まで続けるとなると、100年目の会社になります。100年企業を持続させるのは大変です。昔と違って、今は企業の寿命が短いですからね。

厳しい時代の中でも会社を持続させるために利益を出す。自分たちの足で生きれる状態にする。 そのためには、時に大きな設備投資に踏み切らないといけません。

もちろん多額のお金がかかります。でも、覚悟ができていれば怖くないです。

私には良いものを作っている自信がある。きちんと自分の商売をしていれば、腹を決めて投資ができます。

私が定年になって次に引き継いだら終わり、ではありません。引き継がれた方にとってはその時がスタートです。 社員が不安なく働くために腹を決めて投資しなければ、会社を持続可能な状態にすることはできません。

━━━最後に、太陽光発電を検討されているみなさんに一言お願いします。

今、世界的に電気代が上がってきています。

そんな中、弊社は自家発電でまかない、電気代を抑えられているのはありがたいです。加えて経営者として経済合理性だけでなく、環境へも高い意識を常に持たなければいけないと思います。

“気候変動”や“持続可能”は大きなテーマです。

だからといって何もやらないのではなく、まずは一歩ずつやる。その積み重ねが大事ではないでしょうか。

株式会社岩崎食品工業 | 自家消費型太陽光発電のパネルと神田氏


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記事を書いた人

恒石陣汰
株式会社恒電社

恒石陣汰

前職にて、イスラエル発のWEBマーケティングツール「SimilarWeb」「DynamicYield」のセールス・カスタマーサクセスを担当。その後、日本における再生可能エネルギーの普及と、電力業界に大きな可能性を感じ、2020年に恒電社に入社。現在は、経営企画室長兼マーケティング責任者として従事。YouTubeなどを通じた、電力・エネルギー業界のマクロ的な情報提供をはじめ、導入事例記事では、インタビュアー・記事の執筆も行なっている。

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