【導入事例】埼玉県の製造・加工メーカーが工場の自家消費型太陽光発電で目指すのは「現場主導のアクション」
更新日:2024年11月27日
目次
【要約】税制優遇措置とSDGsへの取り組みを目的に、自家消費型太陽光発電システムを追加導入
グローバル・コーティング株式会社について: 1977年創業のグローバル・コーティング株式会社は、乾性潤滑皮膜処理と樹脂含浸処理を主な事業とし、プレス品や焼結部品へのコーティング加工を行っています。
自家消費型太陽光発電を導入した理由: 2013年にFIT制度を活用して太陽光発電を導入したものの、売電効果の低下により追加導入には消極的であったという同社。しかし、中小企業強化税制が太陽光発電システムも対象となることを知り、既存システムの実績から発電量の計算が容易であること、さらに自家消費型太陽光発電がSDGsの活動として公表できると認識し、追加導入を決定しました。
今後の展望: エコアクション21の活動を9年間続けており、活動をトップダウンから現場主導に切り替えることで社内への浸透を図っている現在。今後もSDGsパートナーとして、太陽光発電の活用による再生可能エネルギーの利用率向上など、環境への取り組みを進めていく方針です。
コーティング加工業|グローバル・コーティング株式会社様
1977年創業のグローバル・コーティング株式会社は2013年、FIT制度を活用すべく太陽光発電を導入。そして今回、自家消費型太陽光発電を追加で導入した。
太陽光発電による売電のメリットが少ない今、追加導入を後押ししたのは「中小企業強化税制」と「自家消費型太陽光発電とSDGsとの関係」。
何故、今になって追加で太陽光発電システムを導入したのか。また9年に渡る一貫したエコアクション21への取り組みの試行錯誤について、管理部次長 平山様に聞いた。
工場への自家消費型太陽光発電はSDGsの活動として公表できる?
━━━御社の事業内容について教えてください。
弊社では「乾性潤滑皮膜処理」と「樹脂含浸処理」の2点を主に行っております。
例えば乾性潤滑皮膜処理はお客様からのプレス品や焼結部品などをお預かりし、塗料をコーティング加工してお返しするということをしております。
━━━御社は今回で太陽光発電システムの導入は2回目ですが、1回目はいつ頃導入されましたか?
*エコアクション21を始めた2013年頃です。
当時、*FIT制度によって買い取り価格が高い時期だったので投資回収の見込みが十分にありました。現弊社顧問(当時、工場長)は環境意識が高く、すぐさま社長にもかけあって導入に至りました。良い判断だったと思います。
環境省が定めた環境経営システムに関する第三者認証・登録制度。
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。
━━━今回、なぜ追加で太陽光発電システムを導入したのでしょうか?
「中小企業強化税制」は、太陽光発電システムも対象となると知ったためです。
徐々にFIT制度の売電効果が薄くなり、メリットを感じられなくなっていました。そのため、太陽光発電システムの追加導入については正直、消極的でした。
ところが「中小企業強化税制」の内容を調べてみればみるほど、太陽光発電システムの追加導入が弊社にとって有利なことが分かったんです。また、太陽光発電システムでどれだけ発電できるかは既設のシステムで実績があるので計算もしやすい。
FIT制度と異なる*自家消費型太陽光発電についての知見はなかったのですが、色々調べていくと「どうやら自家消費型太陽光発電はSDGsの活動として公表できるのでは?」と気づきました。
━━━今回、太陽光発電システムの導入にあたり、恒電社を選定頂いた理由を教えてください。
問い合わせしたきっかけは、埼玉県産業振興公社主催の2020年9月に開催された「実践!SDGsセミナー」を受講したことです。
この時登壇されていた御社代表のお話を伺い、太陽光発電システム工事の実績をご説明されていたことや、SDGsの取組に感銘を受けた記憶があったため問い合わせをしました。
実は、今回太陽光発電システム導入の検討を始めた際、始めに声を掛けたのは既設の太陽光発電システムを施工した業者でした。
ただ、最適な導入方法を検討する為にも他社の話も伺おうということで、御社のことを思い出しました。
御社に決めた理由ですが、とにかく「スピード」が速い。また、対応が非常に「丁寧」でした。
私も20年近くこの仕事をしてるので、最初の対応で大体お付き合いできそうかどうか判断できます。
初回商談の際に事前に資料を作ってきて頂き「このような設置内容となります」「設置すると年間これだけメリットがありますよ」など、説明が非常に具体的で素人でも分かりやすかったです。
また、一般的な業者は工事の長期的な工程表等が出てきますが、御社はそれらに加え、きちんと週次で進捗報告書を出しているということも高評価でした。
もちろん、最終的には価格も重要でしたけどね。
━━━施工を終えての満足度、その後の対応は率直にいかがでしょうか?
スピード・対応の丁寧さ・施工品質、全てに満足をしています。
そしてシステム稼働してからまだ日も浅いですが、当初の想定よりも発電できている状況です。
これがずっと続けば良いなと考えています。
加えて、発電量が見えるソフトウェアもウェブ上で簡単に確認できるので見やすいですね。
以前は、発電量などの表計算はエクセル形式となっており感覚的に見にくかったのが、現在はブラウザ上で簡単に見えるようになりました。
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個人情報は、当社のプライバシーポリシーに基づいて適切に保護いたします。
環境への取り組みをトップダウンから現場主導に切り替える
━━━御社は以前よりエコアクション21について取り組まれていると思います。御社の環境への取り組みや考え方、今後についてお聞かせください。
今から10年程前に中央事務局の方からエコアクション21についての説明を受けました。それから1年後に認証を頂き、活動を続けて今年で9年目になります。
エコアクション21の具体的な活動内容は、CO2の削減を目的とした電力、化石燃料、水道水の利用の低減などです。
━━━エコアクション21の活動を9年続けられてる中で、始めた当初と現在で変わったことはありますか?
始めた当初はなかなか社内に浸透しない、というより、受け入れられないところがありました。それもそのはず。普段はラインの通常作業が入っており、これに加えてエコアクション21の活動を行うのは大変です。
このような状況下でしたが徐々に改善していき、9年経った今はラインの通常作業と並行してエコアクション21が行えています。
━━━浸透が難しかった中、改善するきっかけとなったのは何だったのでしょうか?
二つあります。
一つ目は思い切って年間の活動期間を9か月とし、残り3か月は振り返りと来期に向けての活動を検討する期間としたこと。
二つ目は活動をトップダウンではなく、施策から現場で考え、それらを自ら実践していくスタイルにしたことです。
人から命令されると「なぜ?」と疑問も生まれてしまうので、まずは一人一人に活動の内容を考えてもらい実践してもらいます。
そうすると、やはり自分で考えたアクションはやる。このような取り組みを数年繰り返し、各自がエコアクションへの取り組みを自分事化してもらえるようになってきました。
エコアクション21を始めた当初は色々アイデアが出るものの、3~4年経つとリーダー任せ。結果的にリーダーたちへの負荷が増していきました。
このような背景があったので、先ほど申し上げた2点を軸とした「現場発のエコアクション」に切り替えたことが大きかったです。
━━━今後のエコアクションやSDGsの取り組みについてご検討されていることはございますか?
追加の太陽光発電システムを導入したばかりなので、まだ具体的に何をしようとは決まってません。最近ようやくSDGsパートナーに登録したので、まずはそこで宣言した内容に取り組んでいきたいです。
※グローバルコーティング様は2022年7月に埼玉県SDGsパートナーに登録。宣言書の中で、太陽光発電の活用による再生可能エネルギーの利用率が挙げられている。
━━━最後に、太陽光発電をご検討されているみなさんに一言お願いします。
太陽光発電システム施工業者の提案に「具体性」があるかが非常に重要かと思います。今回、弊社から直近1年間のデータを提供させて頂き、これをもとにシミュレーションして頂いたことが大きかったです。
その後のご提案を見ていても「ああ、真剣に考えてくれたんだな」と、資料を見たら分かります。資料の内容とスピード感に「熱意」を感じられることが太陽光発電システム施工業者を選定する上で大事ではないでしょうか。
導入事例
様々な自家消費型太陽光発電システムの導入事例もご紹介しております。
是非ご覧ください。
記事を書いた人